ドンファン&ルガルガン デッキ考察・解説

ポケモンカード回。昨日参加した大会にて使用したデッキ「ドンファン&ルガルガンGX(タッグチームじゃないよ)」のデッキレシピと採用理由を書いていこうと思う。基本的なカードの採用理由と基準は前回のルカリオ&メルメタルGXデッキの考察と変化なし。軸となるカードでも採用枚数は慎重に考えていく。

以下が今回使用したデッキのリストである。公式でこういうデッキリスト作れるツールが用意されていてびっくりした。


詳しいレシピはこちらから

前回同様、ポケモンカード知らない勢でも楽しく読めるように配慮をしていくが、ついていけなかったらごめんね。

詳しい解説を始める前に、今回参加した大会のレギュレーションについて。今回参加した大会は新弾バトルというレギュレーションで開催時に最新のパックに収録されている「タッグチームポケモン1枚以上」もしくは「ポケモンカード4枚以上」をデッキに仕込まないと参加権が得られないレギュレーションとなっている。参加時の最新パックはジージーエンドである。

ライチュウ&アローラライチュウGX

このデッキの軸。いないと大会に参加できない。なおシナジーのシの字もなければエネルギーのエの字もない。手札コスト専用カード。ならばこの項目いらないんじゃないか。

ドンファン

このデッキ真の軸。普段ならば軸だから4枚投入は検討しなければならないとか言い出すが、このデッキにおけるドンファンの仕事はかなり多く、4枚でも足りないことがあまりに多かったので4枚の採用。ドンファンの仕事について語る前にこのドンファンというカードがどのようなカードなのかを軽く紹介しておこうと思う。このドンファンは特性「がんじょう」によってHPがまんたんの状態(ダメカンがひとつもカードに乗っていない状態)で技のダメージを受けてきぜつする時、きぜつせずにHPが10残る。そのため、どれだけ高火力で押し込もうともHPがまんたんならば必ず1回は攻撃を耐えることができる。この頑丈と強烈なシナジーを形成するのが技「ローリングスピン」である。1回目の攻撃は70ダメージと控えめな攻撃力であるが、連続で「ローリングスピン」を使うことで2回目以降の攻撃力は140になるのである。2回使うと合計火力は210と、ひ弱なGXポケモンならば射程圏内に入る。このローリングスピンとがんじょうという1:1交換の打ち合いに特化したポケモン軸に戦うことをテーマにしたのが本デッキの特徴である。HPがまんたんならばワザで倒せないんだな、ローリングスピンは2回撃てれば強いんだな、と思ってもらえれば結構。

さて、このデッキにおけるドンファンの仕事は主に二つ。一つ目は2体目以降のドンファンを育成するための時間稼ぎ。がんじょうによってワザだけで倒そうとなると必ず2回技を打つ必要がある。そのため、そこらへんの自称高耐久GXポケモンよりもよっぽど壁として頼りになる性能をしている。ベンチポケモンの育ちが悪い場合、エネルギーがついていないドンファンをバトル場に出して時間を稼ぐという運用も視野に入れる。ドンファンのローリングスピンは非常に優秀な性能をしているが、要求エネルギーが「闘無無」と非常に重い。そのため、このエネルギーをドンファンにつけるための時間を稼ぐためのドンファンが1匹必要になる。二つ目はメイン火力としての仕事。1ドンファンで1匹相手のポケモンをきぜつさせる。2回打てばほとんどの非GXポケモンはきぜつ、GXポケモンもブイズテテフデデンネくらいならば圏内に入ってくるため。

ゴマゾウ

ドンファンの進化前。ドンファンが4枚入っているため、進化前のこいつも当然4枚投入。ゴマゾウはサンムーンレギュレーションではあみぐるみゴマゾウと公式絵ゴマゾウが存在しており、今回は2枚ずつ投入している。それぞれ特徴としては

公式絵ゴマゾウ
  • 逃げエネルギーが1で不意にバトル場に放り出された時にリカバリが効きやすい
  • 体当たり(10ダメージ)が1エネで打てるので初手にバトル場に出てもなんかできる
  • こらえるで運ゲーができる
  • 体力が70でちょっと少ない
あみぐるみゴマゾウ
  • 可愛くて場が和む
  • とっておきが成功すれば50ダメージがだせるため、ワンチャンたねポケモンを倒せる
  • 逃げエネが2と重い
  • 体力が80となんかワタッコ並みに高い
  • かわいい
  • 可愛い。部屋に欲しい

と一長一短。公式絵ゴマゾウの方が汎用性はあるが、とっておき(可愛い)も悪くないので2:2での採用に踏み切った。基本的にはドンファンの下敷きとして運用する。

ルガルガンGX

このデッキのサブアタッカー兼GX技要員。ドンファンのローリングスピンのダメージ上昇効果が技による追加効果であるため、一度ベンチに戻してしまうとダメージ上昇効果が切れてしまう。これは同様の効果を持つコメットパンチメタグロスに同様の裁定が出ているため、ドンファンでもそうだろう。というわけでドンファンをひっこめさせずに相手のバトル場を操作したくなる。そうなるとエネルギーも共有できて特性「ブラッディアイ」で進化した時に相手のバトル場のポケモンを自由に操作できるルガルガンGXが自然とデッキに入ってくる。

このような事情からルガルガンGXの仕事は主に3つ。一つ、採用理由でもあるブラッディアイ。これによりドンファンのローリングスピン2回目を任意のポケモンに当てることができるようになる。例えばベンチでドヤ顔で立っているゼラオラGXを引っ張り出してワンパンしたり、こだわりハチマキをつけてGXポケモンへのダメージを+30しつつ、漬物石のカプテテフGXをバトル場に引きずり出してワンパン、なんてことも可能。闘弱点のタッグチーム、早い話ピカチュウ&ゼクロムGXなんかを引っ張り出してワンパンできれば一気にサイドレースで有利が取れる。ドンファンの火力がどれだけ頑張ってもワンパンで200前後までしか出せないため、確実にポケモンをきぜつさせて試合前半からサイドを取っていく必要がある。そのためのルガルガン。二つ、ツメできりさくによる火力要員。この攻撃も必要エネルギーが「闘無無」とローリングスピンと同じであるため、最速2ターン目先行から打てる。ゲームスタート時にバトル場が後述のイワンコだった場合、この動きで相手のバトル場のたねポケモンを落としにかかると後々のサイドレースで優位に立てる。そして三つ目はGX技要員。ルガルガンGXのGX技「デスローグGX」は対戦中に1回しか使えないGX権を使用して相手のベンチポケモンの数*50ダメージを叩き出す大技。ベンチは最大で5体まで出せるため、この技単体で250ダメージまで狙える。こだわりハチマキで+30できれば大半のGXポケモンがワンパン圏内に入る非常に強力な技である。このデッキ、GXポケモンがこのルガルガンしか入っていないため、打たない手はない、という話。積極的に相手のエースモンスターを狙い撃ち、サイドをごっそりいただいていく。採用枚数は最後まで悩んだが、2回は必ずブラッディアイを打ちたいのでサイド落ちケアで3枚。

イワンコ

ルガルガンGXの下敷き。下敷きなのでおいつめるイワンコよりもいいイワンコいるんだなってさっき気がついた。このデッキの改善点その1。採用枚数は3枚。4枚はデッキ枚数的に厳しかった。デッキ採用カード60位はイワンコ4枚目ではない。

マッシブーン

このデッキのサブサブアタッカー。相手のサイドが4枚の時のみ120ダメージを1エネで振り回せるスレッジハンマーが非常に強力。このデッキの場合、ドンファン*2かルガルガンGX1体きぜつの時に条件を満たせるため、中盤に出して相手のモンスターをばっさばっさ倒していくのが狙い。後述のこだわりハチマキを合わせてもよし、ディアンシープリズムスターを合わせてもよしと非常に頼りになるサブアタッカー。非常に強力だが、闘デッキとバレると相手もかなり警戒してくるため、ベンチに出す場面はかなり気をつける必要がある。遅すぎるとサイド3枚以下にされて気まずいし、早すぎると狙い撃ちされてきぜつさせられてしまう。サイド落ち考えても2枚はいらないかな。絶対ベンチに2枚出てきた時の気まずさの方が大きい。

ディアンシープリズムスター

ベンチで立っているだけで闘タイプの技のダメージを+20してくれる、非常に強力な闘タイプ専用サポート。なるべく長いことベンチに立っていて欲しいが、相手も当然ディアンシープリズムスターに仕事をさせればさせるほど不利になることがわかっているため、出すタイミングはマッシブーン以上に慎重になる必要がある。相手のエースモンスターを狙い撃つシーンにデッキからリクルートして奇襲を仕掛けたい。プリズムスターなので当然採用枚数は1枚。めっちゃ安かったので一応2枚持ってるが入れられないので1枚。

ヤレユータン

このデッキのサポートモンスターその2。1ターンに1回、手札が3枚になるようにドローする強力なドローソースを特性として内蔵している。所謂芋畑効果の持ち主。ナショナルエコノミーメセナやりたくなってきたな……。

このデッキはモンスターによるサーチ効果が全くないのに手札が少なくなるとジリ貧になるという致命的な欠点を抱えている。それを解決するために採用。本当にジリ貧になることが多いのでもう一枚採用してもいいのかなと思ったり思わなかったりする。デッキ圧縮を順調に済ませていればヤレユータン特性→リーリエで打開、ということも頻発する。最近流行りのリセットスタンプにふんわり強くなるのもグッド。

ハイパーボール、ネストボール

ご存知ボール。ハイパーボールはルガルガンGX、ドンファンなど必要なポケモンをその場その場で持ってくる。ネストボールはヤレユータンとディアンシープリズムスターの半券として採用。たねポケモンリクルート手段は後述のせせらぎの丘もあるため、ネスト3枚、ハイパー4枚とした。

こだわりハチマキ

相手のGX・EXポケモンはエースモンスターであることが多いため、これをつけて火力増強を狙う。特にドンファンはローリングスピン2回で解決する場面が多く、他のポケモン以上にこだわりハチマキ等のパンプアップ系と相性が良い。こだわりハチマキ+ディアンシープリズムスターがローリングスピン2回に乗るだけで210から310まで火力が跳ね上がる。スタンダードレギュレーションのHPの最大値が300なので無強化ならばすべてのポケモンをツーパンできる強烈な火力になる。

ギリギリポーション

このデッキの爆弾。ドンファンといえばギリギリポーションというのは有名だろう。HPが30以下のポケモンのHPを120回復するという実質ドンファン専用サポートカード。これにより1体のドンファンでローリングスピンを打てる回数が2回から3回に変わる。火力もそうだが、相手にできるポケモンが1体増えるため、対ロストマーチなどでは特に大きな意味を持つ。ツーパンできないポケモンへのケアや対ロストマーチなどを考えて3枚採用。

リセットスタンプ

非GXデッキなので相手のサイド枚数が1-3枚で拮抗する場面が多々発生する。その時にボカンと打てると一気に相手の攻撃速度を低下させられる。こちらのデッキの攻撃速度が中速である以上、相手の攻撃速度を落とすことが非常に重要。アローラロコンやダイゴの決断、トイボックスGX等、大量サーチを相手が行ってターンを終えた場合、手札にあれば迷いなく打つ。

レスキュータンカ

ドンファンとルガルガンGXに甘えきっている構築なのでトラッシュにどちらかが落ちていることは多い。中盤以降の擬似万能サーチとして採用。カードもカードなのでピン刺し。

フィールドブロアー

最後の最後まで悩んだ1枚。無人発電所やエスケープボード等、相手のテンポを加速させるカードやこちらを減速させるカードを吹き飛ばすために採用したが、本当にいるのか感はある。ムキムキダンベル等なんか知らんがないと困る時もあるんだが、うーん。

せせらぎの丘

闘ポケモンのたねポケモンをデッキから呼び出す非常に強力な闘サポートのスタジアム。本当は3枚いれたかったんだけど余計なカードを1枚いれてしまった都合で2枚に。とにかく手札増強手段が少ないため、ドローでたねポケモンを引くことはあてにしている場合ではない。ドローはハイパーボールやヤレユータンを持ってくるために使いたいため、ゴマゾウやイワンコはこれで持ってくる。ディアンシープリズムスターももってこれるが、そのタイミングにせせらぎの丘が生きてるかはちょっと悩ましいところ。

格闘道場

マッシブーン以外の闘ポケモンのダメージをパンプアップさせるスタジアム。サイドレースで負けているときは40も上がるのは魅力的だが環境的にガブルカが多く、気まずい感じになることも。逆に相手を強化させて無理やりがんじょうを発動させるなんてプレイングもできるっちゃできる。強いとは思うが、回しててせせらぎの丘の方がいいなぁと思う場面が多かった、なんとも言えない1枚。

リーリエ・シロナ

このデッキの貴重なドローソース。ドンファンを手札に残しつつドローを加速させたいためリーリエ4のシロナ2。本当はもっとドローしたいんだけどいい感じのドローカードがねぇ……。ククイ博士でもいれればよかったのかしら。お、おもてなしオブエリカ……。

グズマ

ご存知グズマ。ドンファンをベンチに押し返されてしまったときに強引にケアしたり、デスローグGXを狙ったポケモンにぶっ放したりなど、用途はたくさん。でも初期手札に来ると気まずいな〜〜〜〜。

ダブル無色エネルギー

ドンファンもルガルガンGXも「闘無無」が要求されるため4枚いれない理由がない。

基本闘エネルギー

ダブル無色エネルギーのところでも書いたが「闘無無」の組み合わせが多いため闘エネルギーの数は少なめでもいいのかもしれない。が、エネルギーを減らすとエネルギー引けない芸人を発症してしまうためヒヨって11枚にしている。無色と合わせて15枚のエネルギーデッキとなってしまった。1, 2枚減らしてドローサポートをいれたいけどいいカードがわからない。誰か教えて。

基本戦術

バトル場イワンコ、手札エネルギー2種が理想的なスタート。カプ・テテフをいれていないため、初動リーリエが打てるかどうかはほぼ運ゲー。非GXデッキ故のサイドレース優位を崩したくなかったため、GXポケモンはルガルガンGXオンリーとしている。先行2ターン目でツメで引き裂くが出せればかなり楽な展開。

まぁそうはうまくいかないため、ゴマゾウをバトル場に出して耐えつつベンチのゴマゾウをメキメキ育てつつ、横に闘エネルギー1個つけたイワンコにおすわりしてもらって存在感を出しておく、というパターンが多い。相手に常にブラッディアイorグズマからのデスローグGXをチラつかせておく。

GX技以外を使って序盤からサイドを1枚でも多く取っておくことが大切。なんどもいうがドンファンは終盤に超火力でバンバカ敵を倒して大逆転、という動きはほぼ無理なので序盤から堅実にサイドを取ることを意識する。カプテテフ以外のGXポケモン、特にピカゼク以外のタッグチームGXが倒せそうならばためらいなくグズマorブラッディアイからのデスローグGXも視野にいれてしまう。そうすればこちらのサイドは3枚になり、あとはドンファンで3回1:1交換をして勝ち。

ピカゼクはタッグの中でも特に得意な相手。2回目素ローリンスピンでワンパンなのもそうだが、こだわりハチマキ+ディアンシープリズムスターでローリングスピン1回目からワンパン圏内に入ってくる。そのまま勢いで2回目をテテフにあてれればイージーウィンも可能。なんちゃってタッグボルト(スピン)GXと言い張ることも可能。

穴抜けのヒモなどが辛いのでレシリザも思いの外きつい。相手のフレアストライクのデメリット踏み倒しのついでにドンファンがベンチに下げられて白い顔になってしまう。

サナニンフもきつい。カレイドストームでエネルギーをベンチに張り替えられるわアセロラで逃げられるわで。同じ理屈でメルカリもきついと思う。

最悪なのはベトベトコンビ。キョウの罠+毒しゃぶりで頑丈貫通+100回復と全てを否定される。HPが10残っても毒で死ぬし、ベトベトミックスの毒は頑丈貫通です。

1:1交換の打ち合い上等というドンファンの性質上、非GXデッキも案外きついところが多い。ガブルカは相手の圧倒的サーチ能力でジリ貧になるし、ギラティナ1枚仕込まれるだけでベンチのドンファンのが全員死んだ目になる。

そんな中で圧倒的優位に立てる相手がロストマーチ。圧倒的高火力でワンパンしてワンパンされて繰り返すロストマーチの根本的な戦術を否定できる。いくら弱点込みロストマーチで400点を叩き出されようとドンファンは耐えることができるのだ。フルメタルウォール込みのメルカリなんかよりもよっぽどがんじょうだなこいつ。

というわけで一昔前のピカゼクとロストマーチが結構いた環境でドンファンが成果をあげていたのはそういうことなんだろうね。遊戯王でいうところのヴェルズ的なメタビート的要素が多いデッキだと思う。ダメカンばら撒きのウルネクやガブギラ、闘の中でもサーチに長けるガブルカ、圧倒的主人公レシリザが多くてピカゼクがちょっと少ない、という環境ではドンファンは厳しいなぁと感じた。技によるダメージというただ1点に特化している耐性持ちという性質上、それ以外の手段で攻められることには非常に脆いのだ。それ故、ジラサンと互角にやりあえたりするのでポテンシャル自体はあると思う。ドローソースの数を調整したり、他の闘ポケモンとなかよくしたり、改良をしつつ次の新弾レギュレーションでもドンファンと頑張っていこうと思う。なにより3番目くらいに好きなポケモンだしな、ドンファン。

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